今年の夏は猛暑になる可能性が出てきた。観測史上最も暑かった2010年と海や大気の状況が似ているところがあり、さらにいくつかの条件が重なれば全国的に暑くなるという。猛暑になることを見込み、対策に乗り出す企業もある。
気象庁の季節予報では、8月の気温は東日本は平年並みか高く、西日本は高い。夏の後半から暑い日が多くなる見込みという。
10年は記録が残る1898年以降で、6~8月の平均気温が最も高かった。全国11地点で35度以上の猛暑日の日数を更新した。春に太平洋赤道域の日付変 更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が高くなるエルニーニョ現象が終息。夏に逆に海面水温が低くなるラニーニャ現象が発生した。
気象庁は今年もエルニーニョ現象が終息し、ラニーニャ現象が早ければ7月ごろに発生すると予測している。ラニーニャ現象が起こると、太平洋高気圧がいつもの年よりも北側に張り出し、日本列島を覆う。そのため、晴れの日が多くなり気温も高くなる。
東京大学先端科学技術研究センターの中村尚教授(気候変動科学)は「残存するエルニーニョの影響よりも今後ラニーニャ現象の勢力が強まった場合、10年のように暑くなる可能性がある」と話す。