宮城県石巻市のまちづくり団体「ISHINOMAKI(石巻)2.0」などが今月、食をテーマにした1日限定のツアー「いしのまきトラベルレストラン」を始める。特定の時期・場所でしか体験できないメニューを組み、地域の魅力に触れてもらう。牡鹿半島を舞台とする第1弾は23日で、参加を呼び掛けている。
石巻地方の豊かな食文化を発信し、外から人を呼び込むのが狙い。参加者と地元住民のつながりが生まれることで、地域の活性化も期待する。
1回目のテーマは「浜のお正月を巡ろう」。鮎川浜と大原浜を回り、ハゼ、アナゴなど浜ごとにだしの素材が異なる雑煮と、地元の食材を生かし市内の老舗料亭の料理長が腕を振るったおせち料理を味わう。
伝統文化の体験は、地元産のもち米で餅つきをしたり、しめ縄を作ったりする。東日本大震災で被災した地域の現状紹介や被災者との交流も予定している。
ツアーは、生産者と消費者を結ぶことを目的に全国で催されている「にっぽんトラベルレストラン」からノウハウを学んで企画。昨年10月にモニターツアーを実施した。
石巻2.0スタッフの湯浅友絵さん(24)は「一般の観光ツアーと違い、住民の日常生活に近い体験ができる。石巻の食の魅力を多くの人に知ってほしい」とPRする。
第2弾は5月ごろの予定。沿岸部だけでなく内陸部や周辺市町にも範囲を広げ、季節ごとに開催していくという。
1回目は定員20人程度。参加費は8000円で電話かメールで申し込む。連絡先は「石巻2.0」0225(25)4953。