これが次の大地震

 最近、やたらと地震が多い。東日本大震災の直後は確かに、頻繁に余震が起きた。しかし、1年近くたっている今でも活発な地震活動が続いている。これは余震ではない。だからこそ、「次」が心配になるのである。そこで、ここ1カ月間にどこで頻繁に地震が起きているのか、をまとめてみた。地震の多さこそが、大地震の前触れになる。
 
  東大地震研究所が発表した「4年以内にM7クラスの地震が起きる可能性70%」という予測は首都直撃の可能性がある南関東エリアでM3~6の地震がどれくらい起こっているかを調べて、はじき出したものだ。
  地震にはマグニチュードが1つ増えれば、発生率は10分の1になるというグーテンベルク・リヒターの法則がある。東大の平田直教授は首都圏の過去の地震データから、この法則が南関東でも生きていることを確認、その上で、M6以下の地震の数の多さから、M7の地震が起きる可能性を算出した。これまでは30年以内に70%だったのが、「4年以内」になったのは、大震災以降、それだけ地震が頻発しているからだ。こうした地震の震源はどこにあるのか。それを示したのが上の分布図だ。左の図が2006年1月1日から2011年3月10日までの分布図、右が大震災以降の分布図だ。一目瞭然で多発地域が分かる。東京湾岸の千葉エリア、茨城、茨城県沖などだ。
  さらに日刊ゲンダイ本紙は過去1カ月間に起きたM3以上の地震を調べて、頻度と震源の地域をランキングしてまとめてみた。これが別表。これを見れば、どこが切迫地域かがよくわかる。東北沖が多いのは仕方ないとして、原発がある福島の地震の多さは恐怖だ。茨城県沖、千葉県東方沖、関東が全国有数の危険地域であることもよくわかる。
  ちなみに表はM3以上の地震だが、もっと小さい地震も含めると、ゾッとするほど地震が頻発している。1月26日は407回だったが、最近は平均して、これくらいの地震が起きている。
  平田教授は「今、地震が頻発しているところで次も来るとは限らない」と慎重だった。これだけ首都圏で地震活動が活発化している以上、どこで直下型が来てもおかしくないし、長らく動いていない断層も数多いので油断禁物ということだ。とはいえ、頻発地域は最高レベルの警戒が必要になる。湾岸地域は当然、津波への備えも考えるべきだ。関東直撃大地震はカウントダウンに入っていることを肝に銘じるべきである。
 
 ◆順位/震央地名/回数
 ◇1/福島県沖/181
 ◇2/宮城県沖/112
 ◇2/三陸沖/112
 ◇4/茨城県沖/76
 ◇5/岩手県沖/60
 ◇6/千葉県東方沖/41
 ◇7/関東東方沖/28
 ◇8/茨城県北部/20
 ◇9/鳥島近海/19
 ◇10/八丈島東方沖/17
 ◇10/台湾付近/17
 ◇12/北海道東方沖/16
 ◇13/沖縄本島近海/14
 ◇14/福島県浜通り/11
 ◇14/奄美大島近海/11
 ◇16/父島近海/10
 ◇17/与那国島近海/10
 ◇18/宮古島近海/9
 ◇19/東海道南方沖/8
 ◇20/三重県南東沖/7
 (日刊ゲンダイ2012年1月28日掲載)

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