作家の世界は狭き門である。誰でも易々と作家として活動できる訳ではなく、その昔であれば有志を募って同人出版を行ったり、自費出版でとにかく作品を作るというケースも少なくないだろう。それは現在でもそう変わるところではなく、活躍する有名作家も最初は自費出版だったりする。
最近出版大手の新潮社が、驚くべき自費出版プランの提案をしていることが判明した。その名も「山の上のホテル執筆プラン」である。山の上のホテルといえば、川端康成・三島由紀夫・池波正太郎・檀一雄などが長期滞在して作品を仕上げていたことはあまりにも有名だ。そんな宿泊プランがセットになってるなんて、魅力的すぎるだろ~。これ考えた人は天才!
・編集者が部屋に来てくれる!
新潮社の特設ページには、次のように書かれている。
「ご希望により、ご滞在中、編集者が定期的にお部屋をお訪ねし、執筆・校正に関する打合せやご質問などを承ります」(新潮社HPより引用)
これぞ、憧れですよ! ホテルの部屋にこもりきりで原稿を書いている最中に、「失礼します」という一言と共にドアが開き、「入りたまえ」とか何とか言って編集者を招き入れる。そして担当者は「先生、進み具合の方はいかがですか?」なんて言われた日には、完全に文豪気取りだ。「さっぱりだ」とか言ってみてぇえええ!
・毎日編集者に来て欲しい!
この「先生」という言葉が、俄然やる気にさせるのである。新潮社のページには「ご希望により」とあるのだが、できるだけ毎日編集者の人に来てほしいと思うに決まっているのである。なぜなら、自分はあの憧れの文豪たちが滞在したホテルで原稿を書く「先生」なのだから。毎日来て! 用事がなくても来て! たまに「手土産持ってきましたよ」とか言われたいもの!!
ちなみに宿泊は2泊3日が基本で、延泊も可能とのことである。特に本を出す予定とかなくても、泊まってみたい! そう思わせる魅力的なプランではないだろうか。編集者に部屋のドアをノックされてぇえええ!!