さくらインターネット、6rd方式によるIPv6接続テストサービス

 さくらインターネット株式会社は1日、6rd(IPv6 Rapid Deployment)方式を用いたIPv6接続テストサービス「さくらの6rd(トライアル)」を、同社の研究組織であるさくらインターネット研究所が提供開始すると発表した。
 さくらインターネット研究所によると、6rdとは、IPv4上でIPv6を転送するための自動トンネル技術の一種。IETFで2010年 8月にRFC5969として仕様が策定され、既存IPv4ネットワーク上で低コストでIPv6を提供する方式として注目を集めているという。
 さくらインターネット研究所では今回、さくらインターネットのIPv4バックボーンとIPv6バックボーンの間に、6rd Border Relayと呼ばれるゲートウェイを設置した。同装置とさくらインターネットのデータセンターにあるサーバー間のIPv4ネットワーク区間が、6rdでトンネリングされる仕組みだ。これにより、IPv6インターネットから6rd Border Relayを経由し、サーバーまでをIPv6で接続できるようになるわけだ。
「さくらの6rd(トライアル)」は、さくらインターネットの専用サーバーやハウジング、VPSなど、サーバー管理権限を使用可能なIPv4サービスの既存利用者が、サーバーに6rdの設定を行うだけで、申し込み不要でIPv6接続環境を構築できるとしている。
 2月はじめ、グローバルでIPアドレス資源を管理するIANAに残っていたIPv4アドレスの中央在庫が枯渇。日本を含むアジア太平洋地域を担当するAPNICに配布済みの在庫も2011年中盤には枯渇すると予測されており、IPv4に代わるプロトコルとしてIPv6への移行が推進されている。
 このような状況の中、さくらインターネット研究所では、まず既存顧客へのIPv6対応方法について検討し、6rd方式を採用することを決定。さらに各OSの実装状況を調査するとともに動作検証などを行った結果、問題なく顧客への提供が可能な技術であることが確認できたとして、既存顧客向けに先行してテストサービスを開始することにした。6rdは、ネットワークの構成変更が少なく手軽に利用でき、通信品質の確保が可能な方式だとしている。

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