日本アマチュアボクシング連盟は29日、2012年ロンドン五輪で正式種目となった女子ボクシングの第1次強化合宿(5月13~15日、兵庫・西宮)に参加する22選手を発表。同連盟の初代ヘビー級認定王者で、お笑いコンビ「南海キャンディーズ」のしずちゃんこと山崎静代(32)がミドル級(69~75キロ)の選手として選出された。合宿では公開スパーリングも行う予定。夢の五輪出場へ、また一歩前進した。
しずちゃんの夢が広がった。日本連盟がロンドン五輪に向け、初めて行う代表強化合宿のメンバーに名を連ねた。
趣味が高じて09年にC級ライセンスを取得。国内には重量級の選手がいないこともあって、10年にはヘビー級認定王者となった。現在は週に4日のジムワークの効果もあり、五輪種目となっているミドル級までウエートも落ちた。
“2階級制覇”がかかっていた今年の全日本選手権では、ミドル級の登録選手がしずちゃん1人しかおらず、スパーリングが“認定試合”となる予定だった。だが、期間中に発生した東日本大震災の影響で大会が打ち切り。「残念やわ~」と肩を落としていたという。
それに変わる吉報が今回の代表合宿の招集だ。今回、ミドル級の代表に選出されたことで、連盟側も強さを認めた形だ。荒木健事務局長(63)は「職業柄、練習量はまだまだ足りないと思いますが、ボクシングに対する姿勢が本当にまじめ」と評価した。
実力的には「(世界には)まだまだ足りない」(荒木事務局長)としているが、今回の合宿ではひとつ階級が下のウエルター級(64~69キロ)の選手とのスパーリングも行う予定。荒木氏は「しずちゃんに足りないのは実戦で、試合の機会が必要。今回の合宿で感覚をつかんでもらえたら」と期待をかけた。
女子ボクシングの五輪出場は35歳未満が条件。現在、32歳のしずちゃんにとって、最初で最後のチャンスとなる。芸能人から五輪代表へ。華麗なる転身は実現するか。
◆五輪への道 女子ボクシングはフライ級(48~51キロ)、ライト級(57~60キロ)、ミドル級(69~75キロ)の3種目で実施。出場選手は12人前後の見込みで、来年の世界選手権(開催地、日時未定)の上位選手と各大陸の推薦選手が出場できる見込み。アジアでは中国、モンゴル、北朝鮮などが強いという。昨年11月のアジア大会(中国・広州)のミドル級は中国選手が金、モンゴル選手が銀メダルを獲得した。
◆山崎 静代(やまさき・しずよ)1979年2月4日、京都・福知山市生まれ。32歳。通称・しずちゃん。大阪・茨木西高時代はサッカー部に所属。03年6月に山里亮太と「南海キャンディーズ」を結成し、ボケを担当。04年M―1グランプリ2位。06年に映画「フラガール」で本格的に女優デビュー、翌年の日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。182センチ。