衣料品大手のしまむらは2月8日、インターネット通販(EC)事業に参入することを明らかにした。開始時期は未定だが、アマゾンジャパン(Amazon.co.jp)や楽天、ヤフー、スタートトゥデイ(ZOZO)などと交渉中という。消費者の生活スタイルやニーズの変化を踏まえ、利便性と満足度を高める狙いだ。
しまむらは現在、グループ全体で全国に約2100の実店舗を構えているが、郊外・地方を中心に出店する方針を取っていた影響で、東京23区、横浜市、大阪市、神戸市といった都心の潜在顧客にはリーチが不十分だった。また、顧客が望む商品が店頭にない場合は在庫を取り寄せて後日渡す方式を採用しており、時間のロスが発生していた。
こうした背景を踏まえ、しまむらは「従来の実店舗に特化した戦略を修正する必要があると判断した」(企画室)という。戦略の切り替えで「都心に住む人を中心に、これまで獲得できなかった働く女性や高齢者などにもリーチしていきたい」としている。
ECで取り扱う商品は、“裏地あったかパンツ”の通称で知られる裏起毛のボトムス、機能性インナー「ファイバーヒート」「ファイバードライ」など。「既存のアイテムを全て出品するわけではないが、PB(プライベートブランド)や、ポロシャツ・Tシャツなど便利なアイテムもそろえたい。衣料だけでなく、寝具やインテリアも販売する予定」という。
EC事業の目標売上高は非公開。事業の詳細と開始時期については「固まり次第、適宜発表する」としている。