プロ野球・楽天が初の日本一となって一夜明けた4日、優勝記念セールが地元・仙台市の百貨店などで始まり、雨にもかかわらず開店前から長蛇の列ができた。星野仙一監督(66)にちなんだ1001(せんいち)万円の宝石も登場するなどの“楽天景気”だ。通販サイト「楽天市場」では、3日のV直後からセールがスタート。同日分の、事実上のセール売り上げ1位には、楽天や東北関連の商品を押しのけ「和歌山県産みかん約5キロ/1箱」に。ネット通販ならではの、意外な現象が起きていた。
楽天市場の「楽天日本一大セール」は、楽天優勝の3日午後10時頃から開始。その直後から、驚異的な売り上げをたたき出す商品があった。77%引き、1562円で売り出された「和歌山県産みかん」。楽天とも、東北地方とも、縁もゆかりも一切なしのこの商品が、星野監督の背番号「77」や、名前にちなんだ「1001」など、楽天にちなんで値引きになったものの中で、この日最大の売り上げとなった。
発売元の果樹丸青果店では「3日の楽天日本一セール直後の1時間半だけで、約1000万円ぐらいの売り上げでした」と驚きの声。「ある程度は売れると予想していましたが、ここまで上位に来るとは思っていなかった」と話す。
そもそも、なぜ優勝セールでみかんがバカ売れしたのか。楽天の担当者によると「最近のネット通販は、日常品で、かつ持ち運びが困難な『かさばるもの』が売れる傾向にあるんですよ」という。「例を挙げると、お米やお水、トイレットペーパーなどですね」と同担当。今回のみかんは日常に食べるものである上、重量も5キロ。売れる条件にはピッタリの商品だった。
さらに経済ジャーナリストの荻原博子さんは「ネット通販はその地域だけでなく、全国で買えるもの。その意味では、デパートなど地域限定で、高額なものが売れる『普通の優勝記念セール』とは売れ筋も違ってくる」と分析。「全国が相手ですから、楽天とは関係なしに『得だ』と感じた特定の商品に集中する」とした。
「楽天日本一大セール」には、2万8000店以上の店舗が参加。約10万点の商品が売り出され、同サイト過去最大級のセールとなっている。7日午前1時59分まで開催される。