じもとHD、SBIと資本提携 収益力向上図る

SBIホールディングス(HD)は19日、仙台銀行ときらやか銀行(山形市)を傘下に持つじもとHD(仙台市)と資本業務提携する方針を固めた。SBIが2割弱出資し、公的資金を注入した国を除くと筆頭株主となる方向だ。SBIは2銀行の有価証券運用を請け負うほか、デジタル技術などを提供する。
 SBIは東北で福島銀行にも資本参加しており、同社が掲げる地銀連合「第4のメガバンク構想」は全国7行に広がる。じもとHDがSBIを引受先とする第三者割当増資を実施するとみられる。SBIとじもとHDの幹部が20日に仙台市で記者会見し、発表する。
 仙台銀ときらやか銀は、2018年からSBI証券子会社との共同店舗を仙台、石巻、山形の3市で運営するなど連携の実績がある。じもとHDは資金利益の減少などで19年3月期まで4期連続で減益が続いており、課題である収益力の向上に向けて、SBIとの資本提携に踏み切ったとみられる。
 じもとHDの担当者は資本提携について「協議しているのは事実だが、現時点で決定した事実はない」と話した。
 SBIは福島銀のほか、島根銀行(松江市)、筑邦銀行(福岡県久留米市)、清水銀行(静岡市)に資本参加。10月には東和銀行(前橋市)への出資も発表した。大東銀行(郡山市)の筆頭株主にもなっている。
 SBIは地銀連合を10行程度に拡大させる方針を打ち出している。じもとHD傘下の2行の公的資金注入額は計600億円。SBIが公的資金の返済が残る地銀と組むのは東和銀に次いで2例目となる。
 じもとHDは9月中間連結決算の発表を、当初予定の13日から20日に延期。5月発表の当初業績予想に関して13日、中間純利益を6億円から6000万円に下方修正した。きらやか銀は赤字に転落する見通し。

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