すずめ踊り、毎月楽しめます 仙台で定期公演や体験会 市「伊達文化の粋を伝える」来年3月まで試行

 仙台すずめ踊り連盟(67団体)は本年度、仙台市青葉区の青葉山公園にある仙臺(せんだい)緑彩館で定期公演を試験的に始めた。加盟団体が月に1、2度、すずめ踊りを無料で披露しており、観光客の評判は上々。連盟に事業を委託する市は、体験型観光の目玉に育てたい考えだ。

 

 緑彩館の交流体験ホールで4日、にぎやかな笛や太鼓の音色が響いた。柳生祭連(まづら)(太白区)、まつり磊磊欅(らいらいけやき)組(宮城野区)の踊り手計約50人が出演。午前11時の回は観客15人の目の前で軽快に跳ね踊った。続く体験会では、観客が見よう見まねで紙扇子を振った。

 若林区の会社員川村拓也さん(33)は「冷房が効いた快適な環境で、好きな団体の踊りを間近に楽しめた」と満喫した様子。泉区の会社員高橋侑弥さん(31)は「5歳の長女が仙台・青葉まつりで興味を持ち、インターネットで調べて来た。無料で気軽に参加できるのはありがたい」と話した。

 出演側も練習の成果を披露する場として歓迎する。連盟の副会長で、柳生祭連の渡辺広幸さん(70)は「市民と触れ合える機会で、メンバー拡大につながればいい。おはやしの音を気にせず、思い切り演舞できることも喜ばれている」と話す。

 観光姉妹都市の徳島市には、阿波おどりが連日鑑賞でき、年間15万人前後が訪れる「阿波おどり会館」がある。仙台市観光課の担当者は「伊達文化の粋を伝えるすずめ踊りは、国内外の観光客を魅了できる。いつでも体感できるようになれば意義深い」と緑彩館の拠点化も思い描く。

 定期公演は4月に始まり、来年3月まで土日曜を中心に計19日を予定する。1日3回、各回約30分演舞する。観覧の事前申し込みは不要。次の公演は9月1日。日程や出演団体は連盟のウェブサイトで確認できる。

タイトルとURLをコピーしました