ついにきたマンション大崩壊。プロが指摘する恐ろしいローン地獄

常に上がり続けてきた分譲マンションの価格ですが、とうとう2020年の東京オリンピックを前に価格の大崩壊が始まったと語るのは、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者、廣田信子さん。廣田さんによると、投資目的の超高級物件も都心で売れ残り始めており、それが一般人の購入できるマンションにまで降りてきてるという現状を紹介。今マンションを購入したい人たちに向けて、夫婦でめいっぱいのローンを組むのは危険だと警告しています。

ついに始まった、日本のマンション大崩壊

こんにちは! 廣田信子です。

都心の高級物件の売れ行きに影がさし、いよいよマンション価格の崩壊が始まりそうです。やはり2020年までもちませんでした。

先日の「現代ビジネス」によると、完売し竣工したばかりの東京屈指の高級住宅街の高級物件が、すでに、「新築未入居」のまま1割近くが売り出されているといいます。転売目的で買った人が、思うように買い手を見つけられずにいるのです。他にも、本来チラシ等にはならない2億、3億円といった物件が新聞の折り込みチラシや不動産情報サイトで、目につくようになったといいます。

超高級物件は、一般の人は買わないので、販売業者は、まず自社の顧客である投資目的の富裕層に営業し販売します。一般の人が目にする広告が打たれたということは、富裕層の顧客だけでは、さばけなくなったということの表れでもあります。誰でも見られるネットサイトで公開されているものは、売れ残っている物件と考えて間違いないといいます。

マンションは、購入後5年以内に売却すると、短期譲渡所得として売却益の約4割が税金として持っていかれます。その他にも登記費用や仲介手数料などもかかっているので、短期転売狙いなら、本来、2割程度は上乗せしないと割が合わないのですが、もう、とてもその価格では買い手がつかないのです。価値が下がらないとされてきた千代田区、港区、中央区といった都心の一等地に建つ高級物件も例外ではありません。

今なら、まだ売り抜けられると考え、分譲価格よりも高値で売りに出しているものもありますが、その価格で買い手がつくには難しく、実際にはそれ以下で取引されるのではと思われます。

これからは、経費損は覚悟で、せめて分譲時の価格で売れればいいとあきらめる人が増え、さらに価格は下がっていくと思われます。最終的に、不動産価格が上がり始めた2013年の水準くらいまで暴落するかもしれないといわれています。これだけ物件がダブついているのですから、今後は値下げして売るしかないでしょう。

転売目的で高級物件を購入した人の中では、なるべく早く売りたいと焦っている人がこの1年ぐらいの間に急速に多くなっているといいます。

1億円以上の物件を積極的に購入してきたのは、投資家たちです。特に中国人投資家の爆買いがすさまじかったのですが、彼らは、2020年のオリンピックまでは不動産価格が下がらないなんて信じていません。短期譲渡の5年と天秤に掛けながら皆が売るタイミングを計っている緊張状態が続いていましたが、それがはっきり表に出てきたのです。

これから、最後にババを引くのは誰かの戦いになっていくのです。まさに2020年マンション大崩壊は、もう始まっているのです。

それでも、まだまだ、たくさんのタワーマンションが建築中ですが、当然、新築物件の売れ行きも思わしくありません。今後、これが中古物件へ、そして、都心から郊外へ、地方へと波及していくでしょう。

一部にあったタワーマンションの民泊活用での利回り確保という期待も、住宅宿泊事業法成立で、ほぼ難しくなりました。6月15日、いよいよ住宅宿泊事業法が施行されました。こんなに余っている「箱」を今後どう活用するのか…明るい見通しは立ちません。

ただ、それはマンションを資産、投資の対象と見た場合です。人口減少、空室が増え続ける状況で、こんなに新築マンションを無秩序に造れば、こうなることは分かっていたことです。だから、2年前に、著書『2020年マンション大崩壊から逃れる50の方法』には、普通の方の「住まい」としてマンションの選び方と、手に入れたマンションの居住価値を高める方法を書きました。

経済評論家の方は、「売るならできるだけ早く」といいますが、多額のローンを抱えて、そこで子育てしながら暮らしを始めた人たちは、もう、簡単に、マンションを売ることはできないのです。

著書でもブログでも書いたように、私が気になるのは、夫婦年収1,000万円の共働き夫婦が目いっぱいローンを組んでがんばって買ったタワーマンションのことです。仕事と子育ての両立のため都心居住を選択した夫婦は多いのです。

子供が保育園や小学校に通い始めていれば、簡単に引っ越しはできません。それでも、家族や仕事環境にアクシデントがあったら、ローンを払い切れない場合も出てきます。覚悟を決めてマンションを売却しようと思っても、売り物件が多過ぎて価格が暴落すると、オーバーローンになって売るに売れません。バブル崩壊時の悲劇をたくさん見て来た身としては、自分たちで頑張っている若いファミリーが気になります。

今、マンションを買おうと思っている人は、金利や消費税UPの情報に振り回されずに少し待った方がいいかもしれません。間違いなく「箱」はだぶついているのですから…。そして、購入層は間違いなく減るのです。市場の原理で、住宅の価格は下がるしかないはずです。

2020年以後、購入のチャンスはいくらでもあります。賃貸の相場も下がってくるでしょう。急いで購入する必要はないのです。それでも購入したいという方は、新築だけでなく管理組合運営がうまいっている中古マンションもぜひ視野に入れてください。そして、何があるか分からないので、金利が低いからとローンを目いっぱい組むのは、考えてくださいね。

マンションを無理して購入したことで、家族が崩壊していくようなことだけは見たくありません。

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