◆ドコモがショップのサポート体制を変更
まず見てもらいたいのがドコモの報道発表資料。同社は2019年12月1日(日)から全国約2300店舗のドコモショップで、初期設定サポートの内容を統一するそうです。
具体的には店頭で端末を購入し、「初期設定・データ移行」を希望したユーザーには無料でサポートを実施。一方でドコモオンラインショップ、量販店、一般販売店で端末を購入してサポートを希望したユーザーに対しては有料(税別3000円)での対応となります。
サポートの範囲は「Apple IDやGoogleアカウントの設定/dアカウントの設定/ドコモアプリケーションの設定/データのコピー」と明示。実施時にドコモ回線契約があり、dポイントクラブ会員であることも求められています。
また、来店予約の予約枠が事前予約6割、当日予約2割の計8割まで広げされ、予約なしの当日来店は2割まで圧縮へ。予約方法は「WEB予約」「インフォメーションセンター、ドコモショップでの電話予約」などから選べます。
◆ぶっちゃけかなりの大ナタ、ショップの混雑は解決するものの……
「ショップで買ったスマホ以外はサポート有料」という、今までと大きく異なる姿勢を打ち出したドコモ。そもそも「スマホを売ってドコモから販売奨励金を得た代理店が初期サポートを提供すべき」と考えれば、仕方がないことと言えます。
つまり言い換えれば、「乗り換えで割引を受けられる家電量販店や、いつでも好きな時に買えるオンラインショップでスマホを買う行為は、本来サポートをあまり必要としない人向けのもの」というわけです。
そしておそらく最も大きなインパクトを与えるとみられるのが「サポート範囲が明示化された」という点。無償、有償を問わずApple IDやGoogleアカウント、dアカウントの設定やデータのコピーしか受けられません。
分かりやすく言うと、今までのキャリアショップで見られた「LINEやAmazon、楽天の使い方が分からないので操作方法を聞きに来る高齢スマホユーザー」などはサポート範囲外になります。
これを受け、ドコモと関係ないアプリやサービスの操作説明や設定を、別途有料オプションとして提供するショップも出てくると思われるため、今後は「スマホの使い方は無料のドコモスマホ教室で学べ、さもなくば金を払え」が新たなスタンダードになるとみられます。
報道発表資料で「今後も待ち時間・応対時間の削減やドコモショップでのサポート力を強化し、お客さま満足度向上に取り組んでまいります」と結ぶドコモ。突然のスタンス変更を高齢ユーザーが納得してくれるのかどうか、現場にどのような影響を与えるのかが気になるところです。