とっておきの音楽祭 資金不足が震災後常態化

障害のある人もない人も一緒に音楽を楽しむ仙台発祥のイベント「とっておきの音楽祭2015」が6月7日の開催を前に、運営費不足に陥っている。全国に先 駆け2001年に始まったイベントだが、募金や広告収入の減少で必要額まで約200万円足りない。東日本大震災以降、資金不足が常態化しており、関係者を 悩ませている。

ことしの音楽祭の運営費用は約1100万円。企業広告や参加費、補助金などで約900万円まで集まった。残りは4月下旬 から実行委員会のホームページ上でクラウドファンディングという手法で寄付を募っているが、6月1日の締め切りを前に集まった金額は目標の約1割にとどま る。
実行委は経費を削るため、アーケード街など仙台市中心部に設置するステージ数をこれまでの30カ所から28カ所に減らし、開演時間も遅らせた。出演バンド数も昨年の324から320に絞った。担当者は「エントリーは増加傾向なのに、それに応えられず歯がゆい」とこぼす。
11年までは企業広告や寄付金で賄えていたが、その後は地元企業からの広告や協賛金が減った。宮城県と仙台市からの補助金も年々減少し12、13、14年 は実行委のメンバーや協力企業などが赤字を穴埋めした。今後も関係者の負担が続けば、音楽祭の開催が危うくなりかねない。
実行委の菊地昭典企画プロデューサーは「仙台から全国に広まった音楽祭なので、仙台からなくすわけにはいかない。社会的な意義やスタッフの志に対し、理解と協力をお願いしたい」と話している。
連絡先は実行委員会022(265)0980。

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