なぜ日本人はクルマを買い換えなくなったのか?

この数年、日本人は1台のクルマに長く乗るようになった。

少なくとも2000年くらいまで、普通の人で2回目の車検が乗り換えタイミングだったと思う。まだ十分使えるクルマを下取りに出し、新車に変えたワケ。現在の携帯電話に似ているかもしれない。気分転換をしたかったのだ。

し かし最近の状況を見ると驚くばかり。車齢10年など当たり前。ちなみにレガシィで言えば先代の初期型や、同じく先代のプリウスなども10年近い。自動車専 門誌を読んでいるようなクルマ好きでも同じ。皆さん「欲しいクルマがない」と、10年以上経ったクルマに乗り続けている。

なぜか? いくつか理由はある。まず「性能的に進化していない」というもの。なるほど10年前のクルマを見ても、最新のクルマと機能的に変わらず。

例えば、衝突安全性などは15年くらい前から目立った進化をしておらず。動力性能やエンジンは、むしろ地味になってきた。

そもそも欲しくなるような魅力あるモデルが減っている。新型車はエコカーやコンパクトカーばかり。趣味のクルマというより、道具としてのクルマが大半を占める。電話で言えば家の固定電話のようなもの。買い換える必要無し。壊れたら考える、といったイメージか。

一 方、日本車の耐久性は素晴らしい! 10年12万kmくらいなら全く問題なし。交換しなければならない部品だってほとんど無いと思う。15年20万kmく らい乗っても、ウォーターポンプや発電機に代表される消耗部品の交換だけで走れてしまう。乗り換えるより整備代の方が安いですから。

とい うことでクルマを乗り換える人に聞くと「飽きたから」みたいなケースは少数派になってしまった。「さすがに世間体が悪くなってきたので」という感じ。ただ クルマには寿命がある。絶対的な新車の販売台数は、今後も大きく減らないだろう。中古車の流通台数は減るでしょうけど。

今後どうか? 大 きな技術革新がない限り、現状のままだろう。逆に考えれば「これは凄い!」という技術を開発できれば、乗り換えを考える人も出てくるかもしれない。もう一 つは「中古車人気が高いクルマを作る」こと。5年目で高く手放せれば、新しいクルマに乗り次ぐ人も出てくるだろう。

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