なでしこ塾、宮城でキックオフ サッカー全般に女性の参加促す

宮城県サッカー協会は本年度、競技、指導にとどまらず、チームや大会の運営などにも女性の参加を促すためのセミナー「みやぎなでしこ塾」をスタートさせた。年6回程度開催して必要な知識を学んでもらう。全国に先駆けた取り組みを通してサッカーに関わる女性を増やし、スポーツシーンと社会のジェンダー平等実現を目指す。

「みやぎなでしこ塾」で講演する今井氏=5月22日、仙台市青葉区の常盤木学園高

スポーツシーンと社会のジェンダー平等実現へ

 セミナーは競技の歴史とルール、チームマネジメントや基本的なスポーツ医学などがテーマ。ジェンダー論、女性アスリートが悩む生理や食事制限などの健康管理の問題も取り上げる。

 初回は5月22日、仙台市青葉区の常盤木学園高で開かれ、高校生やスポーツ少年団に関わる保護者など約60人が参加した。日本サッカー協会の今井純子理事が、国内外の女子サッカーの歴史について講義した。

 今井氏は本場欧米での女子サッカーのプロ化の流れや、昨年国内で発足したサッカー女子プロ、WEリーグの狙いを解説。「Women Empowerment」を意味するリーグの名称には、女性活躍をけん引する意味合いが込められていると強調した。

 今井氏は「女子サッカーを通じて生き方の多様性にあふれた社会を実現したい」とした上で、みやぎなでしこ塾について「シリーズ化する取り組みは全国の都道府県のサッカー協会では例がない。若い世代の参加に期待したい」と述べた。

 日本サッカー協会によると国内の女子登録者数は現在、選手で全体の6%の約5万人、有資格指導者で約3%の3000人弱にとどまる。宮城県はWEリーグ・マイナビ仙台の本拠地があり、高校女子も全国レベルにあることから、県サッカー協会内で「指導や運営の現場でも活躍できる人材を幅広く育てよう」との機運が高まったという。

 実行委員長を務める瀬戸美子県サッカー協会特任理事は「ジェンダー平等の意識醸成はまだまだこれから。女性がスポーツのあらゆる場に関わり、能力を発揮できる社会構築に貢献したい」と語った。

 なでしこ塾は無料。受講は女性限定。登録制で希望者を募る。県サッカー協会は次回以降のスケジュールをホームページで公表する。連絡先は同協会022(767)7679。

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