秋田の子どもにとって怖~い存在のなまはげ。そんな彼らが「泣く子がいねえっ!」と当地の人口減少に涙している。
全国の都道府県の中でも人口減少率が著しい秋田県。ピーク時には約135万人あった人口も、2014年3月1日現在で約104万5000人まで縮小した。1年あたりの人口減少率が1%超なのは他に福島県だけだ。15歳未満人口の割合は2013年4月現在で11.1%。全国平均の13.0%を下回り最下位となっている。
2020年には100万人を割り込み、2040年には70万人に縮小すると予想されている。
秋田市のなまはげと子ども(Teppei Hayashiさん撮影)
秋田県の人口が減っているのは、未婚率が上がっていることと、若者が県外で就職するため流出が続いているからだ。
企業誘致や起業支援で若い人が働ける場所を増やしつつ、住民が安心して結婚・出産・育児を行える環境づくりに県は努めている。その結果、子ども1人当たり助成額は全国トップクラスで、教育水準も飛躍的にアップした。
行政はあらゆる手段を講じているにもかかわらず、出生率は改善の兆しがない。特効薬がないなかで、県はテレビCMや広報番組を流し、子どもを増やす必要性について訴えている。
【ニコニコ動画】【秋田】少子化 CM
秋田県の「少子化脱却大作戦!!」の動画(ニコニコ動画より)
その1つが、有名な「なまはげ」を起用したCMだ。少し古い話だが、ツイッターでも2010年ごろ、このCMがかなりの話題になったことがある。
過疎に苦しむ秋田県に帰ってきた。テレビをつけたらナマハゲが包丁かかげて「泣く子はいねぇが!…子供が…いねぇな。…秋田では少子化が止まりません」みたいなCMがやってて俺が泣きそうになってる。
– ストロベリータイム (lesterbarnum) 2010, 12月 26
闇の中にたたずむなまはげの姿が、なんとも物悲しい。
現在、県は少子化対策広報番組「子どもの国秋田を目指して!」を製作・放映している。若者雇用や社員の育児支援に熱心な企業が地元にあることや、Uターンした人たちが幸せな家庭を築いている様子などを伝えている。
株式会社五洋電子 – 子どもの国秋田を目指して!(YouTubeより)
本荘由利森林組合 – 子どもの国秋田を目指して!(YouTubeより)
これらの映像はYouTubeで見ることができる。故郷を離れて都会で暮らす元秋田県民に、地元からのメッセージが届くといいのだが……。