連休が明けたころに、会社や学校に行きたくないと思ってしまう「五月病」。近年は6月になってから起こる「六月病」も増えているとか。五月病と 同じく、無気力、気持ちの落ち込み、睡眠障害などの症状がみられ、放置するとうつ病に移行するケースも。どんなことに注意すればいいのでしょうか。
◆会社や学校に行く気がしない、やる気が出ない、やめてしまいたいなどの無気力状態に陥る「五月病」。新入社員や新入生によくみられます。新しい環境に慣れようと緊張の連続だった4月が過ぎ、心身のストレスが不調となって現れることが原因のようです。
◆ 最近はこの五月病ならぬ「六月病」が増加中といわれます。どちらも医学的な名称ではありません。新しい環境が耐えがたく感じられ、そのために心身の不調が 起こる「適応障害」に分類されます。新人社員では4月に研修期間を終え、5月に新しい部署に配属、やっと慣れた6月ころに心身の疲れやストレスが噴き出し ます。中堅社員でも転勤や転属などをきっかけに起こることも少なくありません。
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(監修:横浜労災病院 勤労者メンタルヘルスセンター長 山本晴義)
◆また、気候も原因のひとつとして考えられます。新緑の季節から一転、梅雨間近の不安定な気候の中では気分も変調しやすく、疲労、倦怠感、無気力状態を引き起こしてしまいます。
◆六月病(適応障害)では、心と体の両面にさまざまな自覚症状が現れます。気持ちが沈む、やる気がでない、イライラする、不安や焦りを感じる、疲れがとれない、動悸や息苦しさ、めまい、頭痛、眠れない、食欲がない、などの症状が現れたら注意が必要です。
◆ このような症状を放置しつづけると、うつ病に移行する可能性も出てきます。気になる症状が2週間以上毎日のように続くなら、専門機関に相談することをおす すめします。厚生労働省の報告では、適応障害と診断された人のうち、40%以上が5年後にうつ病と診断名が変わっているといいます。症状が軽いうちに対処 するようにしましょう。
◆六月病すなわち適応障害は、責任感が強く、真面目で完璧主義の人がかかり やすいようです。このような人たちは、できない自分を責めたり、少しのミスで自信を失いがち。六月病予備群かも?と思ったら、早めにケアすることが大切で す。寝る前や週末にリラックスできる時間をとって、ガチガチになった心をほぐしましょう。
◆仕事や 人間関係のストレスを回避することは、そう簡単にはいきません。そこで自分なりの気分転換の方法を見つけておきます。自然に触れる、動物を飼う、植物を育 てる、そのほか趣味の習い事でもいいでしょう。ただし、依存症につながる危険性もあるので、飲酒やドカ食いをストレス解消法にすることはやめましょう。