“ドアスコープ”越しに女子大学生をスマホで盗撮する…そんな事件が3月に茨城県でおきた。ドアスコープとは、玄関の内側から外を見るドアについた、いわゆる“のぞき穴”だ。防犯のためについているものだが、実は逆に犯罪に利用されることがあるという。1人暮らしを始めるという人も多いこの時期、どう対策すればいいのか取材した。
【写真を見る】“のぞき穴”に要注意!?盗撮被害も・・・一人暮らしの新生活で気をつけたいドアスコープの防犯対策は?
新生活のスタート・・・一人暮らしに潜む危険
新年度を迎え、親元から離れて一人暮らしを始めるという人も多いはずだ。しかし、古くから犯罪に利用され、注意が必要な“穴”について知っている人は意外と少ない。家のドアについている「ドアスコープ」(ドアレンズ)、いわゆる“のぞき穴”だ。実はこの小さな穴が、時に悪用され、犯罪につながるケースがあるという。
ドアの外側から内側は見えないはずだと感じられる方もいるだろう。しかし、ドアスコープのレンズは外側から外せるものがあったり、特殊なレンズを使うと、レンズを外さなくても中をのぞくこともできてしまうというのだ。
「外から外せるものも・・・」「外から玄関が見えないと危険」ドアスコープの悪用に警戒を
防犯とセキュリティを請け負うALSOKに、ドアスコープの危険と、今すぐできる対策について聞いた。
ーーまず自分のドアスコープが危険なのかどうか気になるのですが、どうやって判断すればいいでしょうか?
ALSOK HOME ALSOK事業部 松田 博充さん
「ドアが古ければ古いほど、ドアスコープが外れやすい可能性が高まると思います。
でも、ドアスコープ自体もそうですが、ドアのある場所も重要です。アパートも、マンションも、一戸建ても、ドアが外から見えづらい状態の場合はより注意が必要です。なぜかというと、怪しい動きがあっても、周囲に気付かれにくいからです」
ーー具体的にドアスコープは、どんな犯罪に悪用されかねないんでしょうか?
「ドアスコープを使って外から覗かれる危険があるのはもちろんですが、実は、それよりも怖いのがドアスコープを外から取り外して、部屋の中に入られるということです。
あんなに小さい穴から・・・と思われるかもしれませんが、特殊な器具と技能があればできてしまうんです」
本当は怖い“のぞき穴”、ドアスコープの防犯対策は?
日ごろ、全く意識していなかった“のぞき穴”、悪用されれば外からのぞかれるだけにとどまらず、部屋に侵入されることにもなりかねない。どう対策すれば良いのか。
「まずは中を覗かれないようにするのが第一歩です。侵入しようとしてくる場合でも、中が見えなかったり、穴を塞いでいたりすれば、それだけドアを開けるのには時間がかかります。時間がかかればそれだけ周囲の人たちが犯罪に気付く可能性が増えます」
ーー中を覗かれないようにするにはどうしたらいいでしょうか?
「まずは、ドアスコープを内側からふさぐ、見えないように隠してしまうという方法です。
・ドアスコープに内側からテープなどを貼る
単純ですが、確実に見えなくできます。テープのほかに、使わないマグネットシールを貼るなどでも見えなくできますよね。
・内側にカバーをつける
ドアスコープのカバーは100均やホームセンターなどにもあります。デザイン性の良いものがあったり、ドアの外を見るときだけ開けられたりするので便利です。
ーーこれならすぐ対策できそうですね!
「ただやはり侵入されるリスクなどを考えると、もう少しドアスコープ自体に対策をしておきたいところです。例えば、
・防犯対策されたドアスコープに交換する
最近は、「ドアスコープカメラ」と呼ばれる、ドアから見える外の様子をスマートフォンなどで確認できるものもあります。
・ドアスコープを金属の板などを貼って埋めてしまう
新しい家にはインターホンにカメラがついていて、中からモニターで確認できるためドアスコープ自体が必要ない場合もあります。そういった場合は金属の板などで埋めてしまうという方法もあります。
ただ、これらは大家さんなど建物の管理者と相談して了承を得る必要があります」
意外な盲点だったドアスコープ。犯罪の可能性を認識し、できる対策をすぐ行っておこう。