はしか東京や埼玉で流行…行楽シーズン前に注意呼び掛け

 高熱と全身に発疹(ほっしん)が出る麻疹(ましん=はしか)が、埼玉県や東京都を中心とする南関東で流行していることが、国立感染症研究所の17日までのまとめで分かった。例年、春から夏に患者が増えるため、流行はさらに拡大する恐れがあるという。
 人の移動が増える行楽シーズンを前に、同研究所の安井良則主任研究官は「学校や地域で麻疹が流行していたり、発熱など感染の可能性がある人は、人が集まる場所には出ないで」と注意を呼び掛けている。
 麻疹のウイルスはくしゃみやせきで広がり、感染力が強い。10日前後の潜伏期間後、発熱や風邪のような症状を経て全身に発疹が出る。対症療法しかなく、流行阻止にはワクチンを1歳時と小学校入学前の計2回接種することが重要だ。
 全国約3000カ所の小児科からの患者報告数は、3月26日~4月1日の1週間に計26人になり昨年9月以来最多に。うち埼玉(11人)と東京(9人)が大半を占めた。小児科からの報告とは別に「成人麻疹」として集計されている15歳以上の報告数も同週は計11人と前週より増加。ほとんどが東京都からの報告だった。
 東京都練馬区のある都立高校では3月に患者が集団発生し、4月の始業式が延期された。都教育庁によると、1~3月に都内の公立学校で麻疹のため出席停止となった児童・生徒は計123人に上るという。
 麻疹の死亡率は低いものの、最近の国の統計では、年に数人程度の死者が出ている。

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