麻疹(はしか)への感染が相次いで確認されたことを受け、加藤厚生労働相は16日の閣議後記者会見で、「疑われる症状があった場合、必ず受診前に医療機関に連絡し、公共交通機関の利用は控えてほしい」と述べ、注意を呼びかけた。感染者が不特定多数の人と接触した可能性がある。
加藤氏は「海外に渡航を予定する人で感染歴がなく、ワクチンを接種していない人などは、予防接種を検討してほしい」と述べた。
厚労省などによると、インドから帰国した茨城県内の男性は4月27日に感染が判明。この男性と新幹線で同じ車両に乗っていた東京都内の男女2人の感染も確認された。うち1人は発症後の5月4日、静岡県の三島駅から午後6時54分発の東海道新幹線「こだま740号」10号車に乗車し、新横浜駅まで移動したという。
はしかは感染すると、約10日後に発熱やせき、鼻水など風邪に似た症状がみられ、2~3日続いた後、39度以上の高熱や発疹が出る。感染力が非常に強く、接触や飛沫(ひまつ)による感染のほか、空気感染でも広がる。