東北新幹線新青森駅開業に伴い、来年3月に導入される新型車両E5系の愛称が11日、「はやぶさ」に決まった。国内最高速の320キロで走行する最新鋭車両の愛称について、JR仙台駅前と青森市内で利用者らの印象を聞いた。
仙台市青葉区の東北学院高1年中嶋晃彦君(15)は「スピード感があり言葉の響きがシャープ。走行すると徐々になじんでくるのではないか」と好印象を持ったよう。
旅行で青森市を訪れた東京都立川市の無職高桑善悦さん(77)も「速そうなイメージでいい。ぜひ乗りたい」と納得。青森県の三村申吾知事も「スピード感にあふれた素晴らしい名称。320キロでぶっ飛ぶぞ、という感じだね」と評価した。
一方、宮城県富谷町の会社員関由美子さん(48)は「速さは感じるが、東北という郷土色が感じられない」と言う。仙台市青葉区の会社員太田悠さん(22)も「東北にちなんだ愛称でなく実感がわかない」とすっきりしない表情だ。
就職活動で青森市を訪れていた盛岡市の岩手大大学院生張山樹さん(23)も「青森のイメージがあまりわかない」と首をかしげた。
「はやぶさ」は昨年3月まで東京―熊本間を走っていた寝台特急の愛称で、それが東北新幹線で復活した格好だ。
鉄道旅行が趣味の仙台市青葉区の会社員斎藤絵梨子さん(36)は「50年以上の歴史がある名前でJR側にも強い愛着があったのではないか」と推測。「斬新な愛称を期待していたが、結果的にどの世代の人にも納得される無難な名前に収まった感じがする」と話した。
◎「新しさ」「親しみ」兼備/JR東日本社長強調
東北新幹線東京―新青森間の新型車両として導入されるE5系の愛称「はやぶさ」について、JR東日本の清野智社長は11日の記者会見で「流線形の姿にスピード感を重ね合わせた。新しさと親しみやすさの両方を兼ね備えている」と強調した。
同社が3月に実施した公募では「はつかり」が最多で「はつね」「みちのく」が続いた。現在、東京―八戸間を走るE2系「はやて」の存続を支持する意見も根強く、「はやぶさ」の人気は決して高くなかった。清野社長は「はやぶさは日本各地に生息しており、急降下する際の時速は300キロにも達する。速さあふれる鳥の姿に新型車両のイメージを感じてほしい」と説明した。
<E5系愛称の公募結果>
名称 件数
(1)はつかり 8,948
(2)はつね 7,184
(3)みちのく 5,904
(4)つがる 4,888
(5)はやて 4,200
(6)みらい 4,130
(7)はやぶさ 3,129
(8)かわせみ 2,957
(9)ねぶた 2,272
(10)とわだ 1,984