新型コロナウイルス禍や自然災害による影響が相次ぐ中、ふるさと納税を活用した地域支援の動きが加速している。返礼品を選択しない「品なし寄付」の件数が前年比2倍超となるなど、寄付金の使い道に重点を置いた寄付が増加。今後は、地元の農畜産物などの返礼品と併せ、寄付金の用途を明確にすることが、寄付の呼び込みにつながりそうだ。 ふるさと納税総合サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクによると、2020年1~6月に同サイトから行われた寄付のうち、返礼品を伴わない寄付が、金額ベースで前年同期比1・8倍、件数で2・4倍に増えた。 同社は「新型コロナ禍をきっかけに、地域を支援したいと考える人が増え、寄付金の使い道に対する意識が高まった」と分析する。 寄付金の使い道から寄付先を選ぶ「ガバメントクラウドファンディング」の利用も増加傾向にある。同サイトを通じた新型コロナ対策プロジェクトに対する累計寄付金額は、7月末までに5億600万円を超えたという。 ふるさと納税を巡っては昨年6月、過度な返礼品競争を抑えるための法改正が行われ、返礼品を返礼率3割以下の地場産品に限るなどの新ルールが設けられた。同社は「地域を応援するという制度本来の趣旨に立ち返る機会となり、市場にも変化が生まれている」と指摘する。