ふんわり コメの香り 杜の都版「ポルボローネ」誕生

仙台市と市内のホテルと洋菓子店、宮城大が産学官連携で、スペイン生まれの伝統焼き菓子「ポルボローネ」を米粉を使って試作した。市内の授産施設も生産に携わり、来年1月の商品化を目指す。小麦アレルギーのある人も安心して食べられるほか、コメの消費拡大につながると期待される。関係者は「仙台藩の慶長遣欧使節の支倉常長も食べたかもしれない」と、使節団に関連づけた販売戦略も描いている。
 ポルボローネは直径約3センチの球形で、本来は小麦粉にラード、砂糖を混ぜて作る。仙台発のポルボローネは主に米粉とショートニングを使い、とろけるような食感を再現。口の中にはコメの香りがふんわりと広がる。
 産学官連携組織「仙台クリエイティブ・クラスター・コンソーシアム」(事務局・市産業振興課)が認定した、コメの消費拡大を図る「88スイーツプロジェクト」の第1弾として開発された。
 宮城大食産業学部の大久長範教授(食品化学)と、泉区の「仙台ロイヤルパークホテル」、青葉区の洋菓子店「プルミエール」のパティシエが、パールライス宮城(宮城県大和町)から提供された「ひとめぼれ」で、シンプルなレシピを考案した。
 市障害企画課のネットワークを活用し、泉区の知的障害者授産施設「すていじ仙台」でも生産してもらい、利用者の工賃アップにつなげる。
 仙台藩祖伊達政宗が派遣した使節団は、1614年にスペインに到着。常長もポルボローネを食べた可能性が高く、話題性もあるという。
 市産業振興課は「新しい仙台の味ができた。まずは地元で愛されるお菓子に成長させ、ブランド化したい」と話す。
 米粉のポルボローネは来年1月中旬から、仙台ロイヤルパークホテルとプルミエール、すていじ仙台で販売する。価格は未定。

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