またも自衛隊を「侮辱」 共産党「陸自は人殺し訓練」チラシ…識者「党の本質露呈した」

共産党奈良県会議員団などが、陸上自衛隊を「人殺しの訓練」と記したチラシを作成していたことが19日、明らかになった。

共産党は綱領に自衛隊の解消を掲げている。識者からは、防衛費を「人を殺すための予算」と発言した先月のケースと同様に、「自衛隊への侮辱だ」と批判する声が上がった。

「自衛隊を『人殺し』という生々しい言葉で批判するのはどうかと思う。自衛隊をなくそうと文字で扇動しているようなものだ。後で『説明不足だった』といわれても…」。自民党の奈良県議は厳しく批判する。

山間部が広がる南部に防災基地がない奈良県は、約10年前から大規模災害時への対応のため陸上自衛隊駐屯地の誘致を進めてきた。

平成23年の紀伊半島豪雨を機に、誘致への機運はさらに高まった。荒井正吾知事も「不測の事態に県民の生命と財産を守っていただくため、五條市への配置が必要だ」とし、国への要望の最重点項目とするなど力を入れている。

これに対し、共産党県会議員団は「自衛隊は国土の防衛が本来の仕事。基地が防災のために必要なら、地域の消防力を抜本的に強化すべきだ」とする見解をホームページに掲載。署名集めなど駐屯地誘致への反対活動を展開している。

チラシについて県関係者は「いろいろな考え方があるが、県民には自衛隊の正しい役割を認識してもらっていると思う」と冷静な反応を示す。

一方、拓殖大の藤岡信勝客員教授(教育学)は「自衛隊の解消を目指す共産党にとって、自衛隊は否定しなければならない存在だ。『人殺し』というぎょっとす る言葉を使って訴える方法はよい説明方法だとこれまで内輪で考えていた。党の本質が露呈したといえる」と指摘。「防衛も災害救助も国民の生命・安全を守る 点では同じ。一方を肯定し、一方を否定するのはありえない。自衛隊に対する侮辱だ」と批判した。

タイトルとURLをコピーしました