みずほフィナンシャルグループ(FG)の佐藤康博社長は26日までにフジサンケイビジネスアイのインタビューに応じ、電子マネー「Jコイン(仮称)」の創設に向け、早ければ2018年3月にも実証実験を行う計画を明らかにした。「来年は構造改革の先に見えてくる金融の姿が問われる1年になる」と述べ、新たな金融サービスに意欲をみせ、収益力向上が共通課題となっている地方銀行との連携が欠かせないとの認識も示した。
みずほFGはJコインについて、スマートフォンで2次元バーコード「QRコード」を読み込むだけで決済する仕組みを検討。実証実験は地域を限定し、地元地銀の協力を得ながら課題や経済効果を検証する。
佐藤社長はまた、「地銀と組んで、お客さまを相互に紹介する仕組みを検討したい」と述べた。みずほFGから住宅ローンの顧客を紹介する代わりに、地銀から信託や証券の相談を必要とする顧客を紹介してもらうことを想定している。
みずほFGは9月に始めた人工知能(AI)を活用した個人向け融資事業が好調で、近く中小企業向けにも展開する方針だ。仕入れや販売に関するお金の流れをAIで分析することで、「地方金融機関が貸せなかった企業でも貸せる先が出て来る」(佐藤社長)という。全国各地の中小企業向け融資に切り込み、地銀と切磋琢磨(せっさたくま)する考えだ。