新型コロナウイルス「オミクロン株」の全国的な感染拡大について、宮城県の村井嘉浩知事は11日の定例記者会見で、宿泊割引キャンペーンや県が感染対策を独自に認証した飲食店専用の食事券発行事業などの地域経済対策を、現時点では維持する考えを明らかにした。
県内でのクーポン付き宿泊割は3月11日のチェックアウト分まで、食事券は2月末まで利用できる。国の現在の運用指針では、県内の感染状況が病床使用率50%超など「レベル3」(対策を強化すべきレベル)となった時点で宿泊割を停止、食事券の販売は旧指標でステージ3(感染急増)となった時点で停止すると定められている。
村井知事は県内の感染状況が現時点で医療提供体制に支障のない「レベル1」を下回ると強調。「(経済対策の)即停止が必要な段階ではない。今は感染対策を呼び掛け、両立を図りたい」と述べた。
東京都、大阪府などが実施する飲食店での人数制限は「今後感染者が増えてくれば考えなければならない」としつつ、現時点では否定。時短営業要請や認証店への対応を含め、感染状況を見極めながら対策本部会議で協議する方針。
東北電力が2022年度以降の再稼働を目指す女川原発2号機(女川町、石巻市)を巡り、政府は県などと合同で初の原子力総合防災訓練を2月上旬か中旬に行う。昨年度に実施予定だったが、新型コロナの影響で延期されていた。
村井知事は「(予定に)変化があるとは聞いていない。日程などは現在調整中と報告を受けている」と説明。「住民避難がスムーズにいくかどうか見定めることが重要だ」と述べ、県庁での指揮に加えて現地を視察する意向を示した。