宮城県は19日、来年度導入する「みやぎ環境税」を使った県事業の概要を固めた。道路や港の照明灯の省エネ化、県立学校への太陽光発電設備導入など、28事業を広域的に展開。低炭素社会構築に向けた新しい生活スタイルの確立や生物多様性の確保を目指す。
課税期間は5年間。計75億円の税収を見込み、このうち県事業には60億円を投入する。
森林機能の強化には7事業、24億円を充てる。林業の活性化を目指し、県産木材を6割以上使った住宅新築を奨励。年200戸以上に補助金を出す。民間保育所を含む公共施設の建物や内装に県産木材を使用した場合も、補助金を支出する。
クリーンエネルギー利用も積極的に推進、24億円をかけ12事業を行う。
県管理の国道、県道の道路灯と仙台港や石巻港に設置する照明灯を、現在の水銀灯から消費電力の少ない高圧ナトリウム灯に替える。県立の高校や特別支援学校での太陽光パネル設置を促す。
民間企業への支援も打ち出し、通勤手段をマイカーから公共交通機関に変える取り組みを進める企業に必要経費の一部を助成する方針を示した。
野生鳥獣の適正保護にも力を入れる。自然維持事業として9事業12億円を充当。適正な個体数の維持を図るため、猟友会などにイノシシやシカの駆除費用を助成する。
県はこの素案を基に、30日から7会場で行う県民説明会で意見を募集。11月までに「みやぎグリーン戦略プラン(仮称)」としてまとめる。