滋賀県立琵琶湖博物館の田畑諒一学芸技師と北九州市立自然史・歴史博物館の日比野友亮学芸員の研究グループが、国内では57年ぶりに新種のナマズを確認したと発表した。谷川に生息することから「タニガワナマズ」と名付け、16日付の国際学術誌「Zootaxa(ズータクサ)」に掲載された。日本で4種目、世界では17種目になるという。
国内では各地にすむナマズ、琵琶湖の固有種ビワコオオナマズ、イワトコナマズの3種が確認されていたが、いずれも河川の下流や湖など緩い流れに生息。2010年頃、大学院生だった田畑学芸技師が三重県の河川の上中流域で採取したナマズのDNAを解析したところ、3種と異なる配列だった。
新種は体長約50~60センチ。イワトコナマズと歯の形が似ているが、やや細身で全身に褐色のまだら模様があるのが特徴。三重県のほか、岐阜、愛知、長野、静岡の4県で生息が確認された。