ゆったりくつろぐ場に 気仙沼・大島に観光施設オープン

東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市・大島の浦の浜地区で、市が県の防潮堤(海抜7.5メートル)の背後地を盛り土して整備した観光拠点(約9000平方メートル)内に、市の観光施設「気仙沼大島ウェルカム・ターミナル」が完成し、8日にオープンした。島の魅力を発信し、観光客の新たなくつろぎの場としての役割を担う。
 拠点内では民間の商業施設「野杜海(のどか)」が昨年7月に開業している。ターミナルの完成で、拠点内に建設が予定されていた全ての施設がそろった。
 木造平屋延べ床面積約470平方メートル。総事業費は約6億6000万円で、国の復興交付金を活用した。
 多目的スペースとテラス席には約50人が座れるいすが設けられた。市出身で東京在住の若手クリエーターらが作った島の観光をPRする映像も流れる。
 地元の新鮮な魚介類や野菜が買える産直施設があり、カキやホタテなどの浜焼きコーナーもある。
 8日に予定されていた記念イベントは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け中止となった。当面は産直と浜焼きコーナーの開店も見合わせる。
 観光拠点全体の完成を巡っては当初、昨年4月の気仙沼大島大橋の開通に合わせたオープンを見込んでいた。だが県道工事の遅れなどを理由に市は2017年11月、20年6月に遅れると発表。その後工程が見直され、19年12月に完成が早まると市は見通したが、造成工事が遅れた。
 市商工課の担当者は「地元の方々の協力もあり、何とかオープンにこぎ着けた。観光客には大島らしいのんびりとした時間を過ごしてほしい」と話した。

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