わいせつ誘拐罪の中学教頭 「弱い者を虐げたかった。情けない」

10代の少女2人に対するわいせつ誘拐、逮捕監禁などの罪に問われた富士市森島、沼津市立中教頭、山本英仁被告(53)の公判が29日、地裁沼津支部(菱田泰信裁判長)であった。被告人質問で山本被告は「仕事のストレスで心がすさみ、はけ口として弱い者を虐げたかった。弱い者に矛先を向け、情けない」と心情を吐露した。

 山本被告は、2017年8月と20年9月にあった同様の2件の事件の罪に問われている。20年の事件の捜査で押収した山本被告のパソコンの動画から17年の事件が発覚。被害者の女性が3年以上、沈黙していたことがこの日の公判で明らかになった。

 検察側は動画の中で山本被告が「『私は奴隷です』と言え」などと被害者に強要していたと指摘。山本被告は「大変、申し訳なく思う」と2件の事件を陳謝する一方、17年の事件について「仕事の忙しさなどで、徐々に自分の記憶から薄れた。(発覚しなければ)自分から名乗り出ることはなかったかもしれない」とも述べた。【石川宏】

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