アイリスオーヤマとソフトバンクロボティクス(東京)は2日、ロボット市場での中長期的な需要創造と社会課題の解決を目指して資本業務提携を結んだ。アイリスがソフトバンクロボに100億円を出資。ロボット技術と商品開発力の相乗効果で、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)や省人化の市場を開拓する。
提携に合わせて、飲食業の労働力不足解消を図る大容量配膳ロボット「キーンボット アイリスエディション」を発売した。
両社は昨年2月、共同でアイリスロボティクス(仙台市)を設立し、法人向けに床面除菌清掃、配膳のロボットを販売している。都内での記者会見で、アイリスの大山晃弘社長は「非常に業績好調。さらに連携を深め、共同で新機種開発を行いたい」と述べた。
今後、ロボットと照明無線制御システムや人工知能(AI)カメラ、センサーの連動による新サービスの提供を目指す。効率的なトイレ清掃やごみ回収、電力省力化、従業員の密回避などを想定する。
ソフトバンクロボの冨沢文秀社長は、2030年に600万人分余りの労働力が不足するとの見通しを示し「アイリスは顧客との接点があり、課題解決力、商品開発力がある。われわれはロボットに対する知見がある」と連携の意義を強調した。
キーンボットは最大40キロを積載でき、既存の配膳ロボット「サーヴィ」(最大30キロ)より大容量。レストラン、ホテルのビュッフェなどに月額6万9800円でレンタルする。