アイリスオーヤマ ロボ製品を自社製造へ 開発企業を買収、実用化目指す

アイリスオーヤマは31日、東京大発スタートアップでロボット開発のスマイルロボティクス(東京)の全株式を同日付で取得したと発表した。ロボット開発力を持つ企業をグループ傘下に持つことで、企画・開発から製造・保守まで、ロボット事業の内製化を実現させる。

 買収額は非公表。スマイルは8月1日から社名を「シンクロボ」に変更する。当面はアイリスが現在展開する法人向けの清掃ロボットの後継機を開発し、2025年の市場投入を目指す。

 同社は19年の創業で、配膳支援などサービスロボットの研究開発に取り組んできた。アイリスが強みとする製造と卸売りの販路を生かし、実証実験から実用化へ開発を加速させる。

 アイリスは20年11月に事業参入し、清掃、配送など主に法人向けのロボットを展開。ソフトバンクロボティクス(東京)が提供する製品に独自の機能を加えるなどして、4000社以上に提供してきた。今回の買収で、仕分けや介護など、より多分野への事業拡大を視野に入れる。複数のロボットを遠隔で制御するシステム開発も目指す。

 スマイルの小倉崇社長は「世界最高のロボットを開発し、全世界に笑顔を届けられるようまい進する」、アイリスの大山晃弘社長は「国内の人手不足の解決と、人間がより高い付加価値を生み出せる社会の実現を目指す」とのコメントを出した。

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