アイリスオーヤマは30日、静岡県裾野市の工場を取得・改修し、6月から強炭酸水と天然水の生産を順次始めると発表した。2021年に参入したペットボトル入り飲料水の製造販売事業の好調さを踏まえ、生産拠点を拡大する。供給能力は従来の2・5倍となり、23年の出荷は5億本になると見込む。
自動車部品大手のトヨタ紡織(愛知県)から26日に取得した工場を、「富士裾野工場」として再整備する。鉄骨2階の約2万1000平方メートルに、天然水用、強炭酸水用の製造ラインを年内に1本ずつ設ける。お茶の製造ラインを加える計画もある。工場敷地内に延べ床面積約5万平方メートルの物流倉庫も建設。総投資額は約300億円を見込む。
富士小山工場(静岡県小山町)で21年から飲料水製造を手がける同社は昨年、今年4月から鳥栖工場(佐賀県鳥栖市)でも生産を始める計画を示していた。製造後の物流費などを考慮し、富士裾野での生産開始を優先し、鳥栖は操業開始を延期する。
30日に裾野市内で村田悠裾野市長と立地協定を締結した大山健太郎会長は「天然水と強炭酸水は発売以来供給不足が続いている。鳥栖工場は富士裾野工場整備後にすぐに着工したい」と説明した。