アトムロボを石巻市広報大使に任命 公共施設に50体配置へ

「漫画の街」をうたう宮城県石巻市は12日、漫画家手塚治虫さんの代表作「鉄腕アトム」をモチーフにした人工知能(AI)搭載ロボット「ATOM」を、「SDGs広報大使」に任命した。同市が推進する国連の持続可能な開発目標(SDGs)で不平等の解消が掲げられており、高齢者向けにロボットを活用して情報格差を埋めるのが狙い。
 市は7月、国のSDGsモデル事業に東北で唯一、認定された。高齢化が著しいコミュニティーの再生などに取り組む。来年、市内の高校生が組み立てたロボット100体を高齢者宅に届ける。会話の機能を使って孤立防止に役立てる。
 近く、市役所や公民館といった公共施設にも計50体を配置する。SDGsの目的を説明するショートアニメ、スマートフォン向けアプリなども順次公開。ATOMを共同開発した講談社が一連の事業に協力する。
 東京都内で開かれた任命式で、亀山紘市長は「高齢者支援に加え、高校生のロボット製作を通じたIT人材の育成に期待したい」と述べた。任命書を受け取ったATOMは「一生懸命頑張ります」と抱負を語った。早口言葉も披露し、会場を沸かせた。

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