ビキニに比べれば肌の露出度は控えめ。しかし、濃紺の素材が体にぴったりフィットするスクール水着は、男子生徒にとっては、ある意味“夏の風物詩”と呼べる存在だ。
そもそも1970年代に学校指定水着として採用され、全国に定着していったスクール水着。デザインや素材を変更しつつ、現在でも親しまれている。
今年は期間限定で秋葉原に「スクール水着カフェ」がオープンし、人気ゲームやアニメの定番衣装になっているなど、現役の男子生徒以外にも高い人気を誇っている。しかし、現実の学校では、こうしたアニメやゲームでおなじみみの“スク水”が大幅に減少してきているという。
00年代に入ってから登場しはじめた“第三世代”と呼ばれるスクール水着は、スパッツタイプやスカートタイプが中心。今までのスクール水着に比べ、肌の露出が抑えられており、よりカジュアルなデザインとなっているのがポイントだ。
では、どうしてこのようなスクール水着が誕生したのか? スク水や体操服などに精通したマニアはこう語る。
「従来のタイプですと、水に濡れたときにお尻が強調されてしまうんです。それを恥ずかしがる生徒の意見が多くなり、スパッツやスカートタイプが採用されはじめました。現在ではセパレートタイプで、パンツ部分がスパッツタイプのスクール水着も登場しており、従来のタイプを採用する学校はどんどん減少していますね」
では、アニメやゲームに登場するような従来のスクール水着は絶滅してしまったのか?
「制服や体操服を扱う学校指定の洋品店では販売されてないケースが多いですが、メーカーの製造はまだ続いており、マニア向けのショップでは各年代のスクール水着が豊富に揃っています。でも、現役の学生が買って着用することはなく、あくまでマニア用ですね」
二次元や三次元作品で数多く登場するスクール水着の映像。もはや、これはファンタジーになってしまったのかもしれない。
(取材・文/直井裕太 撮影/古谷完)