アレルギーの人にもチョコ 仙台の専門店が製品販売

 チョコレートを食べたいけれど、ナッツや牛乳などのアレルギーが心配で…。そんな人も安心して食べられる北欧製チョコの販売が、仙台市宮城野区のアレルギー対応食品店「ヘルシーハット」で始まった。同店とフィンランドの会社を、仙台市産業振興事業団が橋渡しして販売が実現した。
 国内では原材料表示に乳成分が入っていなくても、製造過程で混入し、アレルギー症状が出るケースが何度もあった。このため、同店の三田久美社長(59)は10年以上前から、「アレルギーの人もおいしく、安心して食べられるチョコを探していた」と話す。
 そんな折、「仙台フィンランド健康福祉センタープロジェクト」に携わる市産業振興事業団に昨年11月ごろ、フィンランドから「アレルギー対応チョコを製造するグレドンインベスト社が、日本で販売パートナーを探している」との依頼が寄せられた。
 同事業団の紹介で、ヘルシーハットはことし3月、安全性を確認するため、従業員を同社に派遣。乳成分やナッツ、小麦を使わない専用ラインでチョコを製造している工場を視察し、4月に販売契約を締結した。
 ヘルシーハットは1984年、全国でも珍しいアレルギー対応食品の専門店として青葉区で開店した。食物アレルギーで苦労してきた三田社長の亡き夫が「食べられるものがなくて困っているアレルギーの人を助ける店を作りたい」と提案したのがきっかけだった。
 新たに取り扱うのは、板状のキャラメルチョコやハート形のスイートチョコ、ボタン形のミントチョコなど7種類。見た目、香り、味、口溶けのどれをとっても、一般的なチョコと違いが分からない。購入した人からは「すごくおいしい」「口の中でとろける」といった感想が寄せられている。三田社長は「アレルギーの人にとって、いろんな味のチョコを味わうのは、初めての体験になると思う。ぜひ楽しんで食べてほしい」と話す。
 価格は735~1944円(税込み)。大豆や乳成分が入った商品も一部ある。今月下旬ごろから通信販売も開始予定。連絡先は022(292)0355。

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