イオンなど ファクス受注・センター配送… 新市場 ネットスーパー活況

スーパー各社がインターネットなどで注文を受け、商品を配送する「ネットスーパー」が活況を呈している。イオンは今月からインターネットを利用しない層に向け、ファクスによる受注を開始。都内の中堅スーパーは親会社の商事会社が一括する形で注文を受ける「センター配送型」で、新たなネットスーパーの形を模索している。
 イオンは今月8日から、ネットスーパーを行っている104店舗のうち27店舗で、ファクスによる受注を開始した。ネットスーパーでも特に購買頻度の高かった生鮮品や調味料、飲料、生活用品など約350品目を用意した。開始から約2週間が経過し、「まずまず想定通りに注文が来ている」といい、今後の拡大を検討している。
 イトーヨーカ堂は8月末時点で131店舗でネットスーパーを導入している。「ネットスーパーという言葉自体の認知度が上がってきた」(セブン&アイ・ホールディングス広報部)ことに加え、昨年のインフルエンザや今夏の猛暑など、外出を控えたくなるような状況が、増加の一つの契機になっているという。「最近では重い物はネットスーパーで昼間に注文し、生鮮品などは夕方、自分で店に出掛けて買い物するという使い分けも多くなっている」ほか、主婦のネットワークでの口コミ効果も大きいといい、2011年2月末には150店舗300億円規模に拡大する見込みだ。
 都内を中心に展開する中堅スーパーのサミットを傘下に置く住友商事は、昨年10月にネットスーパーを始めた。07年4月から昨年9月末までは、サミットが店舗で受注するネットスーパーを運営していたが、「雨の日などに注文が集中することによる欠品や、人件費・システム費などに相当のコストがかかる」(住友商事広報部)ことから、住友商事が一括して受注するセンター配送型に切り替えた。
 ダイエーは13年2月末までの中期経営計画で、現在の10店舗を70店舗程度に拡大する方針を打ち出しており、業界全体で新たなマーケットの一つとして、ネットスーパーがさらに広がっていきそうだ。
 ■スーパー各社のネットスーパー
 スーパー名   店舗数   備考
 イトーヨーカ堂 131   来年2月末には150店舗の見込み
 イオン     104   9月からファクス受注を開始
 西友       47   携帯電話からも利用可能
 ダイエー     10   2013年2月末までに70店舗に拡大
 サミット      1   親会社の住友商事が一括して運営

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