イオン東北(秋田市)は2日、資源管理に配慮した漁業を奨励する国際機関「海洋管理協議会(MSC、英国)」の認証を取得した一本釣りの生鮮カツオの販売を始めた。気仙沼港で朝に水揚げされたカツオが、夕方から翌朝には東北各地の約90店舗に並び、新鮮な気仙沼の味を食卓に届ける。
同社によると、MSC認証のカツオを一度も冷凍させずに生で販売するのは国内初めて。マグロ漁や漁獲物の加工販売を手掛ける村田漁業(気仙沼市)が、認証を取得した近海カツオ漁船の一本釣りカツオを仕入れる。イオンやイオンスタイルの宮城県内4店舗は水揚げ当日夕方に、それ以外のマックスバリュなどでは翌朝から販売する。
イオンは2006年、村田漁業は今年10月に認証水産物の流通、加工に必要な「CoC認証」を取得。「海のエコラベル」付きのカツオ販売を通じ、水産資源の減少を防ぐ持続可能な漁業の推進をアピールする。
仙台市若林区のイオンスタイル仙台卸町を訪れた村田漁業の村田憲治社長(61)は「漁業を将来にわたって続けていくために大切な取り組み。気仙沼に来ないと食べられなかった脂の乗った新鮮なカツオを、自宅でも味わってほしい」と話した。
イオン東北の水産グループ産地バイヤー正田敬之さん(37)は「気仙沼産のカツオのおいしさと、環境に配慮した漁業を広く知ってもらいたい」と述べた。
商品は「にぎわい東北 気仙沼水揚げ MSC認証 生かつお」として刺し身で、11月いっぱい販売する見通し。