イスラム教の大巡礼「ハッジ」で「自分撮り」が物議

【AFP=時事】イスラム教の聖地の前で、高齢の父親に腕をまわしたユセフ・アリさんは、にっこり笑ってカメラのシャッターを押す──。今年のイスラム教の大巡礼「ハッジ(Hajj)」では、こうした「自分撮り」が至る所で見られるという。
大巡礼「ハッジ」、メッカに集まり始めたイスラム教徒たち
 しかし、イスラム教の重要な行事であるハッジの最中に、世界中から集まる若い巡礼者たちがひっきりなしに「自分撮り」を行っていることを快く思わない人たちも多い。
 宗教行事としては世界最大規模を誇るハッジ。聖地メッカ(Mecca)のカーバ(Kaaba)神殿の周囲をまわるタワフ(Tawaf)、アラファト(Arafat)山山頂での祈りやミナ(Mina)渓谷での投石などが行われる。今年は、200万人を超えるイスラム教徒らが集まっている。
 その人気が高まる一方、より保守的なイスラム教徒たちの間では「自分撮り」が問題視されるようになってきた。一部の信者はツイッター(Twitter)で、「90年代半ばに巡礼した時、父は「ハラーム(禁止)」と口にする人々にカメラを取り上げられそうになった。今は#HajjSelfieだ。なんという世界だろう」と、自分撮りをする巡礼者たちを批判している。
 一方で、こうした問題について大げさだと話す人たちもおり、「ハッジの写真撮影が許可されているのに、自分撮りのどこがいけないのか? 」と疑問を呈する人もいる。
 匿名を条件にAFPの取材に応じたサウジアラビアの首都リヤド(Riyadh)のイスラム法(シャリア)の専門家は、「個人的な目的なら問題はない」としながらも、「イスラム教徒ならば避けた方がいい」とコメントしている。【翻訳編集】 AFPBB News

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