イタリア死者1万人超え、食料品の略奪騒ぎ警察出動

イタリア政府は28日、新型コロナウイルスに感染した死者が前日から889人増え1万23人になったと発表した。一国で死者が1万人を超えたのは初めて。感染者は前日から5974人増の9万2472人となった。被害拡大が止まらない危機的な状況が続いている。

コンテ首相は28日夜、ネット中継の記者会見を開き、各自治体への支援策として計43億ユーロ(約5200億円)を直ちに使えるようにすると表明。これとは別に経済的に苦しく買い物ができない人々を対象に4億ユーロを拠出するとも述べた。

イタリアでは感染拡大防止策として、生活に必須ではない生産活動が停止され仕事を失う人も出始めている。南部シチリア島のスーパーでは「お金がない」といって数十人の人々が支払いをせず食料品などを持ち出そうとする略奪騒ぎがあり、警察が出動した。

地域別で死者が最も多いのは大都市ミラノがある北部ロンバルディア州の5944人で、同州だけで中国本土の死者を大きく上回る。感染者も最多で3万9415人に上る。北部エミリアロマーニャ州が死者1344人、感染者1万2383人で続いている。

首都ローマのある中部ラツィオ州でもこれまでに124人が死亡し、2505人が感染した。

一方、感染者のうち回復したのは1万2384人。症状がないか軽いために自宅待機となっている感染者も3万9533人いる。これまでに42万9526件のウイルス検査が実施された。(共同)

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