イノシシ駆除より円滑に 宮城・七ヶ宿町、駆除したイノシシの処理施設整備 猟の負担を軽減

七ケ宿町は、駆除したイノシシなどを分解する減容化処理施設を同町萩崎に整備した。地元猟友会の負担を軽減し、有害鳥獣の被害抑制を推進する。

 長さ7・2メートル、幅1・2メートル、高さ1・5メートルの装置1基を使い、おがくずと一緒に50~60度の温度を保ちながらスクリューでかき混ぜて、常在菌の力で肉と皮を分解する。体重55キロの個体であれば6日間で処理が可能。おがくずは最終的に仙南クリーンセンター(角田市)で焼却する。

 整備費は約7600万円で、国の補助金を充てた。猟友会の施設利用時には町職員が立ち会う。県内では大崎、村田、丸森の3市町も同じ設備を導入している。

 15日に開所式があり、前日にくくりわなで捕獲された約7キロと約10キロのイノシシ2頭を初投入し、稼働手順を確認した。小関幸一町長はあいさつで「安全と衛生面に注意し、駆除事業を進めてほしい」と述べた。

 町内では2011年ごろからイノシシの目撃情報が相次ぎ、農作物被害が急増した。100頭未満だった捕獲頭数は19、20年に200頭台に達した。豚熱が広がった21、22年は50頭未満に減ったが、今年は若い個体の捕獲が目立ち、今後の増加が懸念されている。

 これまでは刈田猟友会七ケ宿支部のメンバーが町有地に深さ50センチ以上の穴を掘り、駆除した動物を埋設処理してきた。高橋俊幸会長(62)は「埋設作業は大変で、イノシシが増えたら手に負えなくなるところだった。施設整備に感謝したい」と語った。

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