宮城県の海と山の幸がコラボレーションした「イワナの笹かまぼこ」が人気を集めている。南三陸町の老舗かまぼこ店と栗原市の温泉旅館がタッグを組んで製造し、宮城の新たな土産品として売り出した。
イワナの笹かまぼこは、栗原市花山で養殖されたイワナを同地区の佐藤旅館がフレークにし、南三陸町の及善商店がスケトウダラと練り込んで仕上げる。塩焼き用より大きく脂の乗った50センチ近いイワナの身を使っており、凝縮した風味とうまみが楽しめる。
佐藤旅館の営業担当阿部清高さん(50)が及善商店の商品を見て、土産品づくりのヒントをもらおうと及川善弥社長(44)を訪ねたのが開発のきっかけ。及川社長は「川魚を使ったことはなかったが、身が柔らかい高級魚キチジの配合ノウハウ、半年常温保存できるかまぼこの製造技術を生かせた」と話す。
栗原市栗駒山麓はイワナ養殖発祥の地とされるが、後継者不足などで養魚場は2カ所に減った。阿部さんは「朝食で手焼きかまぼこを提供するなどサービスの幅が広がった。イワナの消費拡大につながればうれしい」と期待する。
イワナの笹かまぼこは栗原市の佐藤旅館とJRくりこま高原駅、仙台市若林区の「アクアイグニス仙台」などで販売中。32グラム4個入りで1000円。