米IT大手フェイスブックは21日、傘下の写真・動画SNS「Instagram(インスタグラム)」で、ライブ動画を配信しているユーザーが動画の視聴者から収益を得られる「バッジ機能」の提供を日本でも試験的に始めた。いわゆる“投げ銭”機能の実装に、ネットではさまざまな反響が寄せられている。
この機能は、視聴者がライブ視聴中に有料の「バッジ」を購入して配信者を応援できる仕組みで、120円、250円、610円の3種類のバッジが設定されている。同社は5月、米国でバッジ機能の提供を試験的に開始しており、今回、日本を含む11カ国、計5万人以上の配信者に対象を広げた。同様のサービスを提供している動画投稿SNSとしては、YouTubeの「スーパーチャット(スパチャ)」、SHOWROOM、17Live(イチナナライブ)などがある。
米本国では5月から展開していたことを知っていたユーザーは少なくないようで、「インスタ版スパチャいよいよですね」「当然の流れですが、来ましたね」など、日本での提供を予想していたと思われる受け止めが目立つ。
インスタグラムは9月にも、動画投稿SNSアプリ「TikTok」のような最大15秒の短尺動画を作成、配信できる「リール」という機能を追加して話題になったばかりで、「リールでtiktok機能も搭載したと思ったらイチナナ領域まで…」と、競合アプリが特徴とする領域に相次いで守備範囲を拡大するスピード感に驚いたようなつぶやきも見られた。
個人がライブをダイレクトに収益化できるこの機能をきっかけに「参入する人増えそう」「益々インフルエンサーになりたい人増えるなあ~」と予想する人は多く、早速「毎日ライブしよっと!!」と意気込むインスタグラマーもいた。
視聴者の視点からは「続々と稼ぎ口が…否、貢ぎ口が…w ファンやヲタクが経済を支える世界、更に広がりますね!」と、新しいエコシステムに期待する書き込みが散見される。特に「コロナで厳しい状況にある業界の人達の助けになると良いね」「コロナで苦境にあるスポーツや音楽、演劇関係はYouTubeスパチャとかで活路を見出したいでしょうし、今後増えそうですね」など、新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済活動の場を失ったパフォーマーやアーティストにとって朗報と期待が集まっている。
また、同機能の実装で、人気アカウントの傾向に変化が現れるのではないかとの推察も見受けられた。たとえば「美男美女が稼ぐのが有利な『顔面偏差値経済』が日本でもめちゃくちゃ伸びてきそう」「今までフォロワーさんを数字として見ていた人とフォロワーさんとの関係性を大事にしていた人では投げ銭の額も大きな差が生まれると思う」との意見や、中には「エロ垢が爆益を上げると予想します」「もうadultな内容しか思い浮かばない」「さらにヤバい投稿が増えそう」などの生々しい予想も。
このほか、画像投稿には同機能が適用されないことから「写真に対しても投げ銭できたらいいのに」との要望や、かねて噂になっているツイッターの投げ銭機能実装について「Twitterにはまだですか???」との催促も見られた。