土用の丑(うし)の日の24日、仙台市内のウナギ料理店は大勢の客でにぎわった。スタミナを付けて厳しい暑さを乗り切ろうと、出来たてのかば焼きを買い求めた。
青葉区一番町3丁目の老舗、大観楼は食事400食と、通常の約20倍の弁当1000食を用意。若手からベテランまで10人の職人が、午前5時ごろから準備に 追われた。愛知県産のウナギを秘伝のたれにくぐらせ、炭火にかけると、香ばしい香りが調理場に広がった。
午前11時の開店前から列ができた。青葉区の会社員遠山志保さん(50)は親族と食べる弁当6個を購入。「ウナギが好きなおばのリクエスト。来週、施設に戻る予定で、その前に精を付けてほしい」と話した。
大観楼の遠藤慎一社長(57)は「物価高や不安定な政情など暗いニュースが多いが、ウナギを食べる時だけは幸せな気持ちになってくれたらいい」と願った。
遠藤社長によると、養殖用稚魚の不良が続き、今年の仕入れ価格は高騰した昨年の約1・2倍。5月から料理を100~200円値上げしたという。