25日午前5時20分ごろ、愛知県岡崎市と西尾市、安城市で計約1万500戸が停電した。中部電力によると、西尾変電所(西尾市)で、送電線と鉄骨をつなぎ絶縁体の役割をする陶器製の部品「がいし」に鳥のフンが付いたため漏電があり、自動的に送電が停止したことが原因という。送電元を別の変電所に切り替えて6分後に復旧した。
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記事本文の続き まさに『たかが鳥のフン、されど鳥のフン』といったところか。
中部電によると、西尾変電所の送電線には7万ボルトの電圧が流れており、フンを介して鉄骨に漏電。高さ約1メートル、直径約20センチの円柱状のがいしは焦げ、一部が破損していた。がいしには鳥のフンが上方から下方に向かって垂れるように達していたといい、このフンが介在役となって上部の送電線の電気を鉄骨に通電したため、漏電を感知した開閉器が自動的に遮断したとみている。フンの長さから、鳥の種類はスズメやカラスよりも大きい、サギやウといったものとみられている。
変電所などの設備は、通常1カ月に1回定期的に点検をしており、今月は20日前後に中部地方に大雨被害をもたらした台風15号が通過した後も点検したが、異常はなかったという。
西尾変電所では、鳥が近づくのを防ぐため、鉄骨の外側に針金を張り巡らせたり、がいしの上の鳥が止まれそうな場所には、鉄条網のような鋭い針状な柵を設置するなどの対策が施されていた。実際、フンはがいしを覆い尽くすほどではなかったという。
中部電は「なぜがいしにフンが付いたのかは現段階では分からない」としながらも、鳥が飛びながら、または、がいしの上方で止まっているときにしたフンが、複数回運悪く送電線と鉄骨を結ぶがいしに線状に落ちたとみている。
中部電管内での鳥のフンによる停電は、2009年4月に一宮市と稲沢市で約1万8000戸が1~6分間わたり発生。さらに10年3月にも、名古屋鉄道の変電所に電気が供給できなくなり約1分間発生。名鉄本線および名鉄三河線の運行ダイヤに数分の乱れがでた。