「緩やかな景気回復」を細々とつなぐ立役者となってきたエコカー補助金制度が、早ければ一両日中にも打ち切りとなる見通しとなっている。補助金の原資が底をついてきていて、9月3日時点で約218億円しか残っていないことが7日までに分かった。日銀は6日から開かれている金融政策決定会合で「緩やかに回復」としている景気判断を維持する見通しだが、日本経済は下支え役を失いかねなず、下ぶれリスクはさらに高まりそうな事態だ。
補助金を管理する社団法人、次世代自動車振興センターが7日までに残額を大幅に修正し、9月2日時点での410億円を3日時点で218億円になったとした。
補助金の申請はかけこみ需要もあって拡大していて、最近は1日あたり50億円超の申請が続いているという。予算総額は5837億円だが、9月3日終了時点で218億円の残高となっていることから、その後4~5日で底がつきる計算だ。申請は土日にはできないため、ペースがかわらなければ9日、10日あたりに打ち切られる見込みだが、ペースが早まる可能性もある。
大手自動車メーカーや販売店は、混乱回避と販売機会とりこぼしの回避のため、独自に補助金分の値引きを検討しているところもあるが、コストがかさむことから、実施期間は限られるとみられる。
エコカー補助金は一定の燃費性能を満たす自動車の購入資金を補助する制度(乗用車で最大25万円)。自民党政権下で導入したが、直嶋正行経産相は7月末、制度を9月末で終了し、申請期限を10月29日とすることを正式決定したと発表していた。