エコカー補助金、終わりが始まり 中古車業者販促へアクセル

東北の中古車市場が回復傾向を見せている。エコカー補助金制度で好調だった新車販売のあおりを受けて不振が続いていたが、8月の中古車販売台数は前年同月を上回り、大盛況となった展示販売会もある。中古車販売会社は9月上旬の補助金終了を「やっと市場の雪解けが始まった。反転攻勢のチャンス」ととらえ、現金キャッシュバックなど新たな販売促進策を打ち出している。
 日本自動車販売協会連合会のまとめによると、東北の8月の中古車販売台数(軽自動車を除く)は2万4649台で、前年同月比9.8%増となった。全国も同様の傾向で、19カ月ぶりに前年同月を上回った。
 市場の回復傾向を象徴したのが、福島県中古自動車販売商工組合が8月下旬に福島市で開いた販売業者向け中古車オークション。毎年恒例の催しだが、今年の成約台数は1491台に上り、1976年のオークション開始以来最多を記録した。
 組合の宗形義孝専務理事は「(需要増に対応するため)販売店側が保有台数を増やし始めた。凍りついていた市場の雪解けがようやく始まった」と受け止める。
 販売店側も需要の取り込みに懸命だ。レンタカーなどとして使用した中古車を販売するオリックス自動車(東京)は9月、仙台名取店(名取市)など全国6店舗で、最大5万円をキャッシュバックするサービスを始めた。
 エコカー補助の対象だった低燃費の中古車購入客が対象で、年末まで実施する。村田信郎店長は「2012年春まで続くエコカー減税が中古車にも適用されていることを前面に出し、販促を強める」と強調する。
 中古車販売専門のカーチス仙台(仙台市)も、購入者向けに付属品3万円分をプレゼントするなどのキャンペーンを9月末まで実施中。「ようやく補助金が終わった。これからが勝負」と力を込める。
 ただ、エコカー補助金制度の影響で、古い車の流通量減少を懸念する声もある。新車登録から13年以上たった車を廃車にしてエコカーを購入した場合は補助金が増額されていたためだ。
 岩手県中古自動車販売商工組合の中道研二事務局長は「13年超車はこれまで需要があった商品。販売店が今後仕入れを強化していく中で、台数不足の問題も起きてくるのではないか」とみている。

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