発売中の「創」12月号に「”冬の時代“エロ出版社に吹き荒れるリストラの嵐」という原稿を書きました。
ここ1年ほどのエロ出版業界は本当にヤバイ感じです。原稿にも書きましたが、2020年のオリンピックの東京開催決定でエロ本への規制が強まるという話がありますが、正直そこまで保たないだろうなというのが実感です。いや、もうエロ本は既に死んでいるという方がいいかもしれないですね。
多くの関係者に取材したリアルなレポートになっておりますので、興味ある方はぜひ。
しかし、この取材をしていて、本当に辛い気持ちになりました。7年前に「エロの敵」を書いた時も、エロ本業界を取材していて、その未来の無さに激しく落ち込んでしまったのですが(実はあの本、最初は一人で書くはずだったのですが、エロ本パートを書いているうちに落ち込んでしまって書けなくなり、雨宮まみにAVパートを頼んだのでした)、今回はその比じゃなかったですね。
もう、誰もが未来を見ていない。この先、エロ本が再び盛り返すとは誰も考えていない。あと何年、細々とでも生き延びられるかということしか考えていないという、完全に終わった業界であることを思い知りました。
特にキツイなと感じたのが、今、エロ本を読んでいる人は「ネットが出来ない人」だという現実です。現在、エロ本の読者の年齢層は40代から50代がメイン。そしてその大半がネットをやっていない人、なのです。だから、エロ本でネットの記事を書くと不評だと言います。
キツい言い方をしてしまえば、エロ本を読んでいるのは、保守的な情報弱者なのです。だから、何か新しいことをやってはいけないのです。
エロ本がそっぽを向かれたのは、編集者の怠慢だという意見もあるかもしれませんが、実はもうそういう時期は過ぎています。新規の読者を見込めないとすれば、いかに今の読者を逃さないようにするしかありません。となれば、新しいことをするのは逆効果です。あくまでも「保守」。これが今後のエロ本を作っていく上で心がけなければいけない鉄則となるのではないでしょうか。
そして、これはたぶんエロ本だけに限らず、あらゆる雑誌にも言えるのでしょうね。