オウム真理教の刑事裁判記録、永久保存へ

松本・地下鉄両サリン事件などを引き起こした一連のオウム真理教事件をめぐり、元教祖、麻原彰晃(しょうこう)元死刑囚=本名・松本智津夫(ちづお)、執行当時(63)=らの刑事裁判の記録などが永久に保存されることとなった。上川陽子法相が3日、閣議後の会見で明らかにした。

オウム真理教事件では192人が起訴され、190人の有罪が確定。このうち死刑が確定した13人は7月に刑が執行され、刑事手続きは終了している。

刑事裁判記録は確定後、1審を担当した検察庁が保管。保管期間は刑の重さなどで異なり、例えば死刑判決では判決書が100年、それ以外の裁判記録が50年で、期間を過ぎると廃棄される。

ただし、死刑判決や調査研究に必要と思われる事件に関するものは「刑事参考記録」としてさらに保管できる。刑事参考記録にするには、法相の指定が必要になる。

オウム真理教事件では罰金刑などが確定した刑事裁判記録が保管期限を過ぎて廃棄されたものもあるという。上川法相は「前例をみない事件で、二度とこのような事件を起こさないための調査研究の重要な参考になる」と判断し、現在も保管されている全ての刑事裁判記録を刑事参考記録として保管するよう指示した。

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