最近は経路が判明しない新型コロナウイルスの感染事例も多いが、家族や食事を一緒にした仲間など、濃厚接触の場合は感染する可能性が高まる。ニュース速報アプリ「NewsDigest」(無料、iOS・Android対応)で、感染事例が報告されている施設の情報を地図上にまとめているJX通信社(東京)は、20日時点の計1,269カ所について詳細を収集・分析した。その結果、複数人の感染が報告されている場所(計228カ所)で最も数が多いのは、「事業所」(オフィス・工場など、72カ所)であることが分かった。これは患者が集まる「医療施設」(病院など、72カ所)と同数で、患者を診察・治療する病院と同じくらい、事業所での感染リスクが高いという結果だ。
3番目に多いのは「福祉施設」(老人ホーム・障碍者支援施設など、27カ所)、4番目は「公共施設」(市役所・警察署など、19カ所)となった。休業が相次ぐ「店舗」(飲食店・クラブなど)は17カ所で、テレワークの必要性がより高いといえるかもしれない。休校・休業している場所が多い「児童施設」(7カ所)や「教育施設」(5カ所)では、複数人の感染報告は少なかった。
政府が4月22日(水)に発表した、平常時と比較した日中の人出の量は、平日の場合はマイナス60%程度。目標のマイナス80%にはまだ至っていない。会社では一日中同じメンバーと過ごすことも多いため、1~2時間一緒に食事をするケースよりも感染リスクが高いのかもしれない。やむを得ずテレワークができない場合も、事業所での複数感染が多いことを頭に入れて、手洗いの徹底・共有スペースの消毒・食事時間を共有しないなど、今一度、感染対策を徹底し、従業員を守る方策を打ち出すべきだろう。